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天野こずえさん「AQUA」「ARIA」断捨離が苦手。日々を丁寧に生きることを目指すわたしのバイブル

断捨離やミニマリストという言葉をよく聞きます。

不要なものを持たずにシンプルに生きている方の発信するブログも多く読むようになりました。

 

その身軽な生き方は説得力があり、魅力的。

ですが、わたしには向きません。

なぜなら、わたしは「持ち物」に割とすぐ愛着を持つタイプだからです。

 

断捨離を好まないわたしにとって大切にしたい生き方、それは「丁寧に生きる」ということです。

日々を駆け抜けるのではなく、指先で優しくなぞるように生きられたらいいと思っています。

 

でも実際は、子育てや共働きやらでバタバタとした日々を過ごしています。

もちろんイライラすることばかり。

 

そんな時にそっと読み返す漫画があります。

天野こずえさんの「AQUA(アクア)」と「ARIA(アリア)」です。

 

読むと、何気なく過ごす毎日が愛おしくなって、丁寧に生きたくなるから。

 

今日は、わたしの心のリセットに欠かせない漫画、「AQUA」と「ARIA」をご紹介したいと思います。

「AQUA」と「ARIA」

 

芝居を公演した際、お客様がプレゼントして下さったのが、この漫画との出会いです。

そのとき、わたしはこの漫画も作者も知りませんでした。

ただ、表紙に描かれた背景の美しさに心惹かれたのを覚えています。

 

作者:天野こずえさん

出版社:マッグガーデン(ブレイドコミックス) 

ステンシルコミックスの『AQUA』は絶版

わたしが持っているものは、「AQUA」が全2巻、「ARIA」が全12巻ですが、この両シリーズは 2016年~17年に、「ARIA完全版」として全7巻構成で刊行されているようです。

 

この世界は愛おしい

 

物語は未来の「水の惑星・火星(アクア)」が舞台。

ゴンドラを漕ぐ水先案内人(ウンディーネ)になることを夢見て地球から来た少女・灯里(あかり)が主人公です。

 

彼女の成長や小さな恋愛などを中心にゆっくりとした日常が描かれます。

 

架空の場所を舞台にしたファンタジーではありますが、この漫画において楽しむべきは「奇想天外な舞台設定」だけではありません。

ごくありふれた「日常」が、キラキラと美しく心に沁みます。

 

これほどまでに「非現実」よりも「日常」が際だつ物語を、わたしはほかに知りません。

 

地球が高度に発達した反面、「便利すぎてつまらない」と言い、少し不便な火星での生活を心から楽しむ登場人物たち。

おいしそうに頬張る、じゃがバターの温かさ。

猫の誘う、知らない路地。

雪虫(わたしの地域では綿虫、と呼んでいました)の知らせる季節・・・

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丁寧に柔らかく描かれるその世界観のなんと美しいこと、愛おしいこと!

自分をとりまく世の中は、とても優しい光であふれているのだと気づかされます。

 

登場人物たちと一緒にアリアの世界を呼吸していると、自分もまた、大切なものであふれる毎日を、もっとじっくり味わいながら生きようと思えてくるのです。

 

むすび

 

過去のしがらみを手放して身軽に生きることも素敵です。

しかし、全員がその道を目指す必要はありませんよね。

 

部屋や家の中が、愛しいもの、好きなものであふれることは、わたしにとって煩わしさではありません。

自宅がホテルのように機能的である必要はないし、オフィスのように無機質になったら、わたしにとっては居心地が悪いでしょう。

 

小学生のころ、親から「片づけなさい!」と言われて掃除を始め、ものの10分くらいで懐かしい交換日記やらコバルト文庫やらを読み出してしまい、結局片づかなかった記憶があります。

片付けには不向きな性格。

でも、そんな「懐かしさに浸る時間」は、とても幸せでした。

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4歳の息子に「おもちゃを片づけなさい」と言うけれど、実際のところ今も昔も、わたしの本質は、なにも変わっていません。

親として、決して口には出しませんが、心のどこかで「片付けより、やりたいことがたくさんあるんだよねえ・・・シミジミ」なんて思っていたりします。

 

たぶんこれからも、わたしはゆっくりのんびり、家中を好きなものだらけにして生きていくのでしょう。

 

整理整頓され、スピーディに過ぎていく現代の速度に疲れたら、ぜひ「AQUA」と「ARIA」を読んでみてください。

心にじんわり、優しい温かさが生まれると思います。

ちなみに、アニメーションもとても美しくてよかったです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事が、何かの役に立てば幸いです。

 

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